REVEAL / R.E.M.
すごく丁寧なアルバムだと思う。もはやドラムのビル・ベリーが脱退して以降、歩を進めるというより立ち止まって三人でのあり方模索することに専念してきたわけで、かつてほどエキサイティングなバンドではなくなってしまっているが、それでもR.E.M.というバンドにこだわってきた彼らの姿勢は決して否定すべきではない。新たな追求の旅へと向かい、いまの三人で再び大傑作を生み出す可能性をまだ秘めていると思わせてくれる。ライブが観たいのに、どうして来てくれないのだろう。マイケル・スタイプは俳句の本まで出しているというのに・・・。
サイコ・ビーチ・パーティー
監督:ロバート・リー・キング
PSYCHO BEACH PARTY
2000年 アメリカ
1960年代のマリブ・ビーチを舞台にした、二重人格少女を主人公にした青春サスペンス・コメディ。ひっさびさにくっだらない映画を観たなーって感じで、すごく楽しめた。オカマ警部役の人が書いた舞台が元らしいが、なんかみんなわかりやすいキャラがあってチャーミング。「ダーマ&グレッグ」のグレッグがカリスマ・サーファー役で出演している。
LAST SPLASH / THE BREEDERS
偉大なピクシーズは時が経ってもたまに話題に上ったり、『ファイトクラブ』のように映画で使われたりと世間(というよりロック・ファン)の認知度は保たれているように思われるが、それならばもう少し先までフォローしておいて欲しいと思い紹介するのが、このブリーダーズ。ピクシーズのベーシストだったキム・ディールが結成したバンドで『LAST SPLASH』は1993年に発表されている。まさにグランジ絶頂のさなか、このアルバムは天然ともいえる突き抜けた気持ち良さを耳に届けてくれる一際異端な存在だったとも言える。名曲「CANNONBALL」は一度は耳にしたことがあるのではないだろうか。いまでも全然カッコいいです。
SUBSTANCE / NEW ORDER
フジロック2001への出演が決定して以来、やはりどうにも落ち着かない! その場で目にするもの自体には、実は大きな期待を寄せるには不安だらけだったりする。他の皆さんには自信を持って「絶対にニール・ヤングを観ろ!」と勧めておく。ぶっちゃけると僕は、単純に「NEW ORDERのライブを観た」という自分だけの勲章が欲しいだけなのだ。哀しきUKロック道を歩んできた者の宿命だと感じている。あわれと思われても仕方がない。もう、あんまり書いても虚しいので、『SUBSTANCE』の説明を。1987年発表のCD2枚組仕様のコンピレーションアルバム。NEW ORDERとして1981年発表のデビューシングル「CEREMONY」から1987年当時の最新シングル「TRUE FAITH」まで12枚のシングル曲を12インチ盤に収録されたバージョンでリリース順に収録されたものが1枚。そしてもう1枚がシングルのB面曲を収録したものになっている。音楽的にどれほど優れたバンドであるかが、これだけで十二分に理解してもらえることと思います。
川勝正幸 東大ポップ・ゼミ 第6回 [ 2001.05.31. 東京大学 駒場キャンパス ]
「DYLANがROCK」がポップ ゲスト:みうらじゅん
青春ノイローゼな日々を今も送っている僕にとって、みうらじゅん氏には共感することしきりなわけで、もう本当に大好きなんですが、今日もまた素晴らしいパフォーマンスとお言葉の数々に腹の底から笑わせていただきました。ボブ・ディランがテーマということで、ディランを語るのはもちろん、MJ自身のことも多いに語ってくれて、まさに愛と笑いに満ちた講義の枠を超えたものであったことは間違いありません! のっけから高校時代の自作の歌を3曲披露し、ディランのコレクションをスライドショー形式で沸かせ、最後は女装してステージに立ってる自分のビデオを流しつつ終了と徹頭徹尾みうらじゅんワールドに浸れた熱い熱い3時間。ディランの人間的側面を多く聞けたのも嬉しい。MJ兄貴、これからもよろしくお願いします!
LIVE / LUNA
ひっそりとリリースされたLUNAのライブアルバム。いうまでもなく、好盤である。いうまでもなく、来日したら観に行くだろう。いうまでもなく、ハゲふたりを含む中年おっさんバンドに惜しみない声援を送り、そこにはいつもは忘れていることを思い出させるような音楽が鳴っていることだろう。いうまでもなく、ね。
MY EVER CHANGING MOODS / THE STYLE COUNCIL
ポール・ウェラーは本当に大好きなアーティストのひとりだけど、しいて言えば僕はジャムがいちばん好き。でも先日この曲を久しぶりに聴いて、大名曲だなあと再確認してしまいました。「激情と気変わりがオレをとらえて離さない」というポール・ウェラーそのものといえる歌詞。彼の意志はいまも頑固一徹つらぬかれているわけで、ファンとして、それ以上に尊敬してます。
NYPD15分署
監督:ジェームズ・フォーリー
THE CORRUPTOR
1999年 アメリカ
チョウ・ユンファ、登場シーンから寝転び二丁拳銃という大サービス。映画はソツのない中国マフィア対NY市警モノではあったが、ユンファのアメリカ進出後、いちばんいい出来のように思う。ただ耳を噛み千切る怪演を知っているファンとしては、キレっぷりがいまいちだったのが残念なところ。
THEE MICHELLE GUN ELEPHANT [ 2001.05.23. 国立代々木競技場オリンピックプラザ ]
雨降りしきる中ではあれど、フリーということで観に行ってきた。後方からずーっと眺めていたのだが、前方から湧き上がる湯気の凄いこと。ロックンロールの初期衝動ともいえる突っ走るビートと鋭い叫びは今も健在のようだ。彼らはいいバンドだし、今日のライブもよいものだった。
1. サンダー・バード・ヒルズ 2. シトロエンの孤独 3. アリゲーター・ナイト 4. 暴かれた世界 5. ゴッド・ジャズ・タイム 6. ベイビー・スターダスト 7. リタ 8. ターキー 9. ブレーキはずれた俺の心臓 10.マーガレット 11.バード・ランド・シンディー 12.赤毛のケリー
encore
13.ジェニー
エル・トポ
監督:アレハンドロ・ホドロフスキー
EL TOPO
1967年 アメリカ・メキシコ
鮮烈のカルト作家による異色ウエスタン。後の『ホーリー・マウンテン』ではさらに過激さを増す、鮮血、死体、暴力、フリークスといった目に飛び込んでくる映像のインパクトはやはり強烈だ。自ら神と名乗る主人公エル・トポと砂漠に住む4人の銃の達人との決闘。死後甦ったエル・トポは地底生活者を救うため町へと続くトンネルを掘る。オープニングから結末まで不思議かつ好奇な感覚で満たされる、奇妙で神秘的な映画体験。