![ELECTRAGLIDE [ 2000.11.24. 幕張メッセ国際展示場 ]](https://open-air.ot9000.com/wp/wp-content/uploads/2000/11/2000pic.jpg)
ELECTRAGLIDE [ 2000.11.24. 幕張メッセ国際展示場 ]
ACT:UNDERWORLD, ORBITAL, LUKE SLATER, TWO LONE SWORDSMEN, RICHIE HAWTIN, DJ TOMO HIRATA
幕張メッセのだだっ広い展示場にステージとスタジアム級に積み上げられたPA、あとは特になしという、ある種異様な屋内空間で繰り広げられた巨大なレイヴ・パーティ。充実したメンツが並ぶなか、メインを張ったアンダーワールドへの期待感が尋常ではなかったオーディエンス達。ここまで歓迎、祝福ムードに包まれると、ふたりぼっちとなってしまったアンダーワールドも嬉しくてしょうがなかったのだろう。時間が押してもやれるだけやって帰ったという感じで、本当に温かいオーディエンスは救いだったと思う。実際、「COWGIRL」から始まったライブはよいものであったが、内心ハラハラしっぱなしだった。こんな気持ちで観たのは、96年正真正銘そのものの終わりだったレディングのストーン・ローゼズのとき以来かもしれない(このとき同時刻セカンド・ステージのトリが絶頂を迎えつつあったアンダーワールドだった。そう、96年は『TRAINSPOTTING』の年だったのだ)。「JUANITA」ではヴォコーダー・マイクが突然の不調で使えないといった目に見えて明らかな失敗があったが、やはり『EVERYTHING, EVERYTHING』ほどのキレはなかったように思う。カール・ハイドのたこ踊りは冴え冴えだし、リック・スミスも本当にひとりでサウンド操作をよく頑張った。でも、今後はせめてライブだけでもサポートを入れるべきではないだろうか。あまりにリック・スミスの仕事量がハンパじゃない。ライブ後半、起死回生の「BONE SLIPPY」以降はELECTRAGLIDEのハイライトともいえる素晴らしさだったと思う。もう、踊りまくり。あまり画的に魅せる気はなかったのか、TOMATOのヴィジュアルはショボかったが、終わりをしっかり決めるあたりはさすがアンダーワールドです。なんだかんだ言っても楽しかった、やっぱり。個人的には八ツ墓風に懐中電灯を頭の両サイドに装着して決めてきたオービタルが貫禄でベスト・アクトに推薦。
1.FUNNY BREAK(ONE IS ENOUGH) 2.SPARE PARTS EXPRESS 3.IMPACT 4.KNOW WHERE TO RUN 5.HALCYON 6.I DON'T KNOW YOU PEOPLE 7.THE BOX 8.TOOTLED 9.TENSION
encore
10.SATAN 11.DR.WHO 〜 CHIME
UNDERWORLD set list
1.COWGIRL 2.ROWLA 3.PEARL'S GIRL 4.新曲 5.BORN SLIPPY (ORIGINAL) 6.JUANITA 7.SPOONMAN 8.KITTENS 9.JUMBO 10.CONFUSION THE WAITRESS 11.BORN SLIPPY NUXX 12.新曲 13.PUSH UPSTAIRS
encore
14.KING OF SNAKE 15.MOANER
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FAMILIAR TO MILLIONS / OASIS
御存知ウェンブリー・スタジアムでのライブ盤。かつてオアシスと一心同体だった自分の過去がオーバーラップしてしまう時代を築いた名曲と一言もうたを口ずさめない最新アルバムからの曲。聴き手のわがままでしかないことは十分わかっているが、現状のオアシスについて冷めてしまっていることは否定できない。来日公演のときより調子はよかったみたいだが、決して最高とはいえない。最高とはいえないのが、とても問題なのだ。なぜならオアシスは常に最高であったからだ。結局、今回のライブ盤からも次なる最高の一手は見出せなかったが、唯一希望が持てたのが、ノエルが「ヘイ・ヘイ、マイ・マイ」を歌っていること。さすがにこれは鳥肌が立ったが、残念ながらオアシスの新曲ではない。パンク全勢の時代、ジョニー・ロットンが言い放った「ロックは死んだ」という伝説の文句に対する、1979年、男ニール・ヤングの純然なるアンサー・ソングとして有名すぎる「ヘイ・ヘイ、マイ・マイ」。「ROCK AND ROLL WILL NEVER DIE」という歌詞を歌い上げるノエルを信じるしかない。
LIVE SHOWER PHANTOM [ 2000.11.21. タワーレコード渋谷店 STAGE ONE ]
GUEST:玲葉奈、斉藤和義
まずは番組のVJでもある玲葉奈がジャジーにブルージーにピアノとトロンボーンをバックにホーリーなライブを披露。後半、同じくVJでペアを組むエル・マロの會田茂一がギターで参加し、玲葉奈をサポート。ハッピーな空気に包まれ、なかなか楽しいライブだった。玲葉奈、うた上手。赤いドレス姿もステキでした。続いて登場の斉藤和義はアコースティック・ギター一本の弾き語りスタイル。これが素晴らしく良かった! カッコいいです。いいうたです。みんながみんな聴き入ってました。「歩いて帰ろう」や「アゲハ」からライブで聴かせるのは初めてという新曲まで、こちらも本当にステキなライブでした。
1.歩いて帰ろう 2.ユーモアで 3.白黒 4.古い話 5.郷愁 6.アゲハ 7.僕の踵はなかなか減らない
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イディオッツ
監督:ラース・フォン・トリアー
IDEOTERNE / THE IDIOTS
1998年 デンマーク
カメラは手持ちでなくてはならないなどといった10のルールに則って映画を製作する「ドグマ95」という組合がある。ラースはそれの代表にもなっており、この作品は「ドグマ95」の2番目の作品として制作されたものである。一言で言えば、今作はドグマの教則映画で、退屈なものだった。『奇跡の海』のように慈悲深い激愛でもなければ、『キングダム』のように黒々しいギャグに暴走するでもない。内容的にもどっちつかずで、いまいち振り切れないシコリが残る。いままでオクラになっていただけに、ラース作品だから観たいという人たちも多いと思うが、『ダンサー・イン・ザ・ダーク』と同じ期待を『イディオッツ』にかけるのは、よした方がいいだろう。2001年3月23日より恵比寿ガーデンシネマにてレイトショー。
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リトル・ヴォイス
監督:マーク・ハーマン
LITTLE VOICE
1999年 イギリス
とっくに結婚して、娘までいるのに、ユアンのこの清々しさといったら! 伝書バト飼ってるってのが、またイイ。中年の名優ふたりもハツラツとしてて、なんだか全体的に異様なテンションで押し切られた映画でした。最後のオチは、しっかりイギリス映画特有の空気だったけど、それもまたよしです。LVの歌声よりも、普通の声が本物なのか気になる。
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BLACK AND BLUE / THE ROLLING STONES
ビートルズも好きだが、僕はどちらかというとストーンズだ。街行けばビートルズ、テレビつけりゃあビートルズの昨今、リキッドルームのフリーペーパーで、いままでで好きな10枚みたいな企画で10枚全部ストーンズを並べていたズボンズ、ドン松尾。氏の潔さはとても気分を爽快にしてくれたもの。『BLACK AND BLUE』は1976年の作品で、代表作などに比べると、そんなに有名ではないけど、僕はかなり好き。派手さはなく、円熟の極みを感じることができる渋さが魅力。僕にとっての必殺ナンバー「MEMORY MOTEL」収録。CDサイズでも圧倒される、顔面を強調したジャケットもサイコー!
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オースティン・パワーズ デラックス
監督:ジェイ・ローチ
AUSTIN POWERS:THE SPY WHO SHAGGED ME
1999年 アメリカ
マイク・マイヤーズのつくり笑顔。これができたら人生困らないだろうなあ。「シャガデリック」な美女にモテモテ。一生困らないだろうなあ。ヘザー・グレアムがキュートだったので、『デラックス』のほうが好みかな。60’sテイストを持ってくるセンスはお見事。バカラックも出てるし(コステロは余計だったが。オッサン、人間も身体も丸くなりすぎ)。全然関係ないけど、マイク・マイヤーズとつんく、似てると思った。
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真夜中の虹
監督:アキ・カウリスマキ
ARIEL
1988年 フィンランド
よかった。感覚としては北野武に非常に近いものを感じた。ナレーションは一切無し。数少ないセリフといい、また映像に関しても無駄に説明を加えるようなことは何ひとつしていない。この潔くも淡白な映画は、だからこそ多くを表現している。73分という短さといい、文句のつけようのないプロフェッショナルな作品だ。
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シカゴ / クラムボン
ニュー・アルバム『まちわび まちさび』がまだ買えずにいるので、シングルを紹介。アルバムではテンポを落としたヴァージョンで収録されているので、このシングルで聴ける「シカゴ」も聴いて欲しいと思う。妙に聴き心地の良いピアノの調べ、軽快なリズム・ワーク、原田郁子の歌声。この三者の見事なコンビネーションが生んだ、素晴らしい3分間ポップ・ソングです。
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THE BEST OF / BLUR
初回限定盤として99年12月11日ウェンブリー・アリーナでのシングル全曲ライブのCDが付いていて、これがよい。特典とすべきは、むしろ逆じゃないのかとさえ思える。本人たちにとって、このショーはいわば(今回のベスト盤ともども)やっつけ仕事的なものでもあったわけだけれども、ブラーの現況をこのライブ・サウンドは顕著にあらわしているし、選曲は全曲シングル曲だから当たり前のことながら申し分ない。「GIRLS&BOYS」なんて真っ先に風化してておかしくないのに、この力強さには正直おったまげた。「TENDER」なんて、その場にいたら絶対泣いてただろう大合唱の感動。このライブ音源が完全版として収められていたら、買ってたのにな。